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IRニュース 2002年

PDF(42KB)

平成14年5月28日
各  位

  会 社 名  
代 表 者 名 
本社所在地
コード番号
上場取引所

株式会社 ニチレイ
代表取締役社長 浦野光人
東京都中央区築地六丁目19番20号
2871
東京、大阪、名古屋(各市場第一部)
福岡、札幌

Cellestis Ltd.との結核感染検査キット等の販売契約締結に関するお知らせ

当社は、オーストラリアのバイオベンチャー企業であるCellestis Ltd.(セレスティス)と結核感染検査キットQuantiFERON®-TB (クオンティフェロン-TB )などの日本における独占販売契約を本日付にて締結しましたのでお知らせします。


1.QuantiFERON®-TBの概要

  日本における結核病罹患者数は年間約4万人で、この数十年罹患者は減少してきましたが、数年前に減少から増加に転じ、厚生労働省から緊急事態宣言が出されるなど、その感染蔓延の阻止が急務となっています。現在、結核病の発症(活動性結核)に対する診断薬は多種存在しますが、感染の有無を診断する方法はツベルクリン反応による検査が唯一です。しかしながら、ツベルクリン反応はBCGワクチン接種の影響を受け、結核菌に感染していないにもかかわらず陽性(偽陽性)となることから、臨床の現場で問題となっています。

Cellestis Ltd.が開発したQuantiFERON®-TBには、第一世代キットと第二世代キットがあります。第一世代の結核感染検査キットは、ツベルクリン反応検査に比べて試験管内で検査できるより客観性のある優れた検査方法ですが、BCG接種の影響がこの第一世代キットにも少なからずあることが分かりました。これに比べて、新たに開発された第二世代の結核感染検査キットは、このBCG接種の影響を受けず、結核感染の有無を判別できる画期的な検査キットです。日本では、多くの人がBCG接種を受けていますから、この第二世代の結核感染検査キットが診断薬として承認された場合、診断薬としての意義と市場性は有望と考えられます。

2.技術背景説明
  QuantiFERON®キットは、細胞性免疫反応(注1)の指標であるインターフェロンガンマ(注2)を測定する試薬に刺激抗原(注3)が構成品として添付されたキットです。被験者から得られた全血検体に刺激抗原を添加して一晩培養し、全血中に存在するTリンパ球(注1)がこの添加刺激抗原に免疫応答すればインターフェロンガンマを産生します。したがいまして、培養後にインターフェロンガンマを定量分析することにより、刺激抗原に対する生体の細胞性免疫反応の有無あるいは強度を試験管内試験として判定できます。

ヒトはいったん結核菌に感染すると、結核病を発症しなくても、生体内のTリンパ球が記憶し、外部から再び結核菌あるいはそれと同様な抗原が入り込むと細胞性免疫として応答します。この細胞性免疫応答の一つの指標がTリンパ球のインターフェロンガンマ産生です。現在、結核感染の診断に用いられているツベルクリン反応検査は、ヒト型結核菌からの精製物(注4)(以下、PPDという。)を投与抗原とした皮膚反応検査です。PPDとBCGワクチンは、 アミノ酸配列の相同性が高く、BCG接種したヒトに対してツベルクリン反応検査を結核感染の診断として施行すると、結核菌感染していないにもかかわらず陽性(偽陽性)と判定される頻度が高くなります。日本ではBCG接種が一般的であり上記の問題点が指摘されていました。

しかしながら、最近の分子生物学的手法を用いた検討により、BCGとヒト型結核菌のアミノ酸配列の非相同部分が同定されてきました。第一世代QuantiFERON®-TBはツベルクリン反応検査よりもBCGワクチン接種の影響が少なく、第二世代QuantiFERON®-TBはこの非相同部分を刺激抗原としたキットであり、被験者のBCGワクチン接種の有無にまったく係わりなく試験を行うことができます。

  (注1)

血清抗体を作らず細胞が直接作用して発現する免疫反応。主として白血球の一種であるTリンパ球による。
  (注2) リンパ球が活性化物質や特異抗原に出会ったとき産生する物質のこと。
  (注3) リンパ球に細胞性免疫反応を特異的に惹起させる抗原のこと。
  (注4)

ツベルクリン反応を惹起させる結核菌から精製した物質(精製タンパク誘導物質;purified protein derivativeの略)のこと。

3 .販売契約の概要
  当社は、第一世代キットについては、米国食品医薬品局(FDA)から診断薬(注5)の承認を得ていますが、日本では承認が得られていないことから、研究用試薬(注5)として販売します。第二世代キットは、日本における診断薬輸入販売承認取得のための臨床性能試験(注6)の共同実施および承認後の独占販売権が含まれています。
なお、本販売契約が連結および単体の業績に与える影響は軽微であります。

  (注5)

診断薬は国より承認を受け疾病の診断目的に用いられる検査試薬のこと。研究用試薬は研究を目的として用いられる試薬であり診断目的には使用できない。
  (注6) 体外診断用医薬品として臨床上の有用性を示すデータを得るために行う試験のこと。

4 .Cellestis Ltd.の概要
  オーストラリアの大手製薬企業CSL Ltd.出身の検査キット開発者が2000年に設立したバイオベンチャー企業で、オーストラリア証券取引所に上場しています。

  (1)本社所在地: オーストラリア国ビクトリア州サウスメルボルン
(2)代表者: Anthony Radford (CEO)
(3)資本金: 10,395千オーストラリアドル
(4)事業内容:医薬品の製造販売
(5)当社との関係: なし

Cellestis Ltd.のホームページ: http.//www.cellestis.com/

5 .この件に関するお問合せ先
  株式会社ニチレイ広報IR 室(電話 03-3248-2235 )



以  上

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