ニチレイ75年史
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■チキン市場での「特から」のヒット 高齢化の進展や東日本大震災の影響などで、これまで冷凍食品を利用していなかった方々にも冷凍食品の利便性やおいしさが注目されるようになってきた。こうした生活者の意識変化に「夕食のおかず」向けの商品づくりがマッチし、2017年3月に発売した「特から」は、その本格的なおいしさが認められ、ヒットにつながった。「特から」は香り高い醤油だれに漬け込み、二度揚げで味わい深くジューシーに仕上げた、大きめサイズの若鶏の唐揚げ。揚げたての品質を追求した当社独自の「じゅわ旨っ。製法」で、食卓の主役になれる唐揚げ商品となった。 これに続いて、ニチレイフーズは2018年3月、「切れてる!サラダチキン」を発売し、料理素材としても、そのままおつまみとしても使える料理パーツを新たに提案した。■マーケティング施策 2016年3月からはラグビー日本代表の五郎丸歩選手が、2017年2月からは俳優の鈴木亮平さんがテレビCMに登場。2020年3月からは女優の深田恭子さんがテレビCMキャラクターに起用された。 また、2018年春にはニコニコ動画「踊ってみた」で人気の踊り手であるみうめさんと仮面ライアー217さんが「本格炒め炒飯」のおいしさをパラパラダンスで表現。2019年5月には日本のヒップホップ界の第一人者、Zeebraさんが18年連続売り上げNo.1ムービーに登場するなど、「本格炒め炒飯」はCMでも話題を呼んだ。た、生産量の増強、生産体制の整備も相まって、2016年度、ニチレイフーズの利益の大幅増につながった。 その後もおいしさを求め続け、2017年にコーティング技術でご飯の「口あたり」をより一層なめらかに、2018年に自社製の「ゴロゴロ焼豚」を1.2倍に増量して「肉感」を増し、2019年に「鍋肌しょうゆ」の香ばしさをイメージしてネギ油を改良、2020年にプロの調理人の調理方法にならい卵の炒め方を改良して卵の香ばしい風味をアップ、さらに2021年には「新・三段階炒め製法」の開発により「パラッと感」と「香ばしい風味」を一層アップさせた。「本格炒め炒飯」の年間売上高は2017年度に100億円を突破し、売り上げNo.1の座を維持し続けている。 一人当たりの米の消費量が減少する中、外食や中食、冷凍米飯など炊飯を必要としない米飯商品の需要は高まった。中でもチャーハンは子どもから大人まで幅広く食べられている人気メニューである。 ニチレイフーズはそんなチャーハンをより身近に、おいしく食べてもらうためのきっかけを作ろうと、8月8日を「チャーハンの日」として一般社団法人日本記念日協会に登録申請し、2015年に認定された。 8月8日は、おいしいチャーハンの特徴である「パラ(8)パラ(8)」の語呂合わせに由来する。また、毎年8月8日頃は立秋となり、残暑が厳しく、食欲や体力ともに減退する時期。お米のパワーが詰まった熱いチャーハンで残暑を乗り切ってもらいたいという願いが込められた。143「本格炒め炒飯」CMチャーハンの日を盛り上げる活動「特から」切れてる!サラダチキン第9章 さまざまな経営課題に的確に対応

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